チェスター動物園
Chester Zoo


報告者は 赤見理恵&赤見朋晃

訪れた日は 2004年6月1日です。



チェスターZOOはイギリスでロンドンZOOに次ぐ有名な動物園。Liverpoolの町から2,30マイルほど南下したChesterの街の郊外にあります。当日は祝日だったみたいで、開園9:00のところ9:00ちょっとすぎに着いたら、もうお客さんがいっぱいでした。

■広大なクロサイ放飼場

エントランスを入ると、右手には広大な草地の放飼場、左手には広大な赤土の放飼場。そして、動物は見えない、、、。なんたって、広いんですよ。
まずは右手のクロサイの放飼場を見に行きましたが、こんな感じの草地の放飼場が5個も6個もありました。

そして室内展示も広め。ちょうどキーパートーク中で混んでいました。この3個体のうち、1個体は日本から行った個体だそうですよ!

解説パネルもおもしろい。サイとかかわりがある、異なる立場の人の意見を聞くことができます。日本ならクマやニホンザルのように、現地ではサイも農業被害や人的被害がある動物なんですね、、、。

■アジアゾウの群れ!!!

とにかく、アジアゾウの群れがすごい!オトナメス4個体、3,4歳のワカモノが3個体、そして今年3月に生まれたという子どもが1個体。メス&子ども集団はなんと8個体が飼育されていました。それとは別にオトナオスが1個体隔離飼育されています。そしてメスの群れの放飼場も広大です!草こそ生えていなかったものの、池や傾斜、山が作られていて、変化のある環境です。そしてワカモノを中心に活発に遊んでいました。

アジアゾウがみんなで遊ぶ姿って、見たことあります?ゾウのイメージが一変しました。ゾウって、体が重そうでのろのろしていて、遊ぶといっても鼻や足を使う程度、、、、と思っている人、とんでもありません。鼻を絡ませておしくらまんじゅう、お尻とお尻でおしくらまんじゅう、泥の斜面にごろーんと横になって、そこに他の個体が「えいやー!」とのしかかっていったり、のしかかられた方が今度は相手を追いかけてのしかかり返したり、、、。なんて活発な動物なんでしょう!!これだけの群れを飼育している動物園はイギリスでも珍しいとか。入口入ってすぐのゾウの展示で、もうすっかり満足してしまいました。

■チンパンジーとオランウータンは期待ほどでも


広大なチンパンジーの屋外放飼場

こちらは小さめな屋内放飼場

逆に、ガイドブックを読んで期待していたチンパンジーとオランウータンの展示は、ちょっと期待はずれでした。チンパンジーは20個体以上の群れで飼育しており屋外放飼場も広く緑が茂っていて良い環境ですが、特筆すべき点があるかというとそうでもない、、、。


なんだか寂しい屋内放飼場

屋外放飼場

オランウータンに至っては、屋内放飼場は広いとはいえ床はコンクリートで敷き藁もなく、壁や天井もコンクリート等でできているため利用できません。中央にぽつんと大きめなジャングルジムのようなものが置いてあって、利用できるとするとそのくらい。

80年代にできた施設ですから、当時は画期的だった、ということですね。チンパンジーを檻や大きなモートでなく池で隔てて飼育したのはここが初めてだそうですし、これだけ大きな群れを飼育するというのも当時は大変なことだったんだと思います。

■Enrichment Officer

園内のあちこちに「こんなエンリッチメントをしてますよ!」という表示が見られました。また入口近くではあづまやの周りにいろいろなフィーダーがつるされていて、中に入ると「Enrichment Officer」の机(パソコンや長靴などが置かれている)がありました。(もちろん実際につかっているわけではなくて、仕事内容を紹介するための展示物です)。

動物舎も特に霊長類の放飼場はエンリッチメントグッズ満載でした。シシオザルやマンドリル、クロザルがいる施設の室内放飼場は、床はウッドチップに餌がまかれ、たくさんの丸太と組み木、様々な種類のハンモックやロープ、そして本当にたくさんのフィーダーがありました。

パズルフィーダーの1つは来園者側にも置かれていて、「早い個体は15秒でこのクルミを取ることができます。あなたにはできる?」と挑戦を促しています。チャレンジしたけど、絶対無理。

「Enrichment Officer」というポストについて質問してみたところ、独立したセクションがあるわけではなく、霊長類や爬虫類などいくつかのセクションに1人ずつエンリッチメントのスペシャリスト「Enrichment Officer」が配属されているそうです。園内では合計5、6人いて、時々ミーティングもしているとか。役職名にEnrichmentがつくなんて、さすが動物福祉の国、イギリスですね。

■その他の特筆すべき展示

このオオコウモリの展示は見もの!コウモリの「フライングケージ」といった感じ。大きなプレハブの建物中に、オオコウモリが飛び交っていました。時おり、頭上を大きな影がバサバサ〜っと横切る。その正体がすぐにはわかりません。次第に目が慣れてくると、所々に止まっているオオコウモリの姿が見えてきます。


りっぱな建物!!

ジャガーのロゴがきらめいています

2001年に完成したジャガーの展示は、立派そのもの。それもそのはず、車メーカーの「ジャガー」が出資しているんですから。建物にも、バーンとジャガーのロゴであるシルバーのジャガーのレリーフが飾られています。こんなのもアリなんですね〜

コモドオオトカゲって、そんなにすごいの!?すごい目玉のように期待感を高まらせるようなガイドに従って進むと、なんともだらしない姿にお目にかかれました。

しっかしチェスターZOOは広かった、、、。さらに動物舎を繰り返し建て替えているので、園路設計はめちゃくちゃ。全部見るためにはすっごく歩かなきゃいけないんです。はー疲れた。

チェスター動物園の公式サイトはこちら↓
http://www.chesterzoo.org.uk/

 


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