Zoologischer Garten Frankfurt/Main


報告者は 伊東剛史 さん
訪れた日は 2002年4月15日です。


 フランクフルトにはベルリンに次いでドイツで2番目に古い動物園があります(1858年開園)。訪れたのは平日の夕方だったので、とてもすいていました。動物園のゲートは地下鉄「動物園」駅のすぐ隣にあります。入場料は2.5ユーロ。英語版のガイドブックもあります。ゲートの後ろにはルネサンス様式の巨大な建物が構えていて、一見動物園ではなく、アミューズメント・パークに来てしまったのかと錯覚しました。往年の動物園にはこの建物の中に市一番のレストランがあって、社交の場としても活況を呈していたそうです。

 動物園で最初に目をひいたのはアフリカライオンの展示。ライオンにはとても広い野外スペースがあたえられ、屋内のスペースは3つに仕切られていました。夕方になり寒くなり始めていたせいなのか、3頭いるライオンはみな屋内に引っ込んでいました。雌の一頭が同じ場所をずっとぐるぐる回っていましたが、これはストレスを感じているということなのでしょうか。

 ライオンを見た後は、夜行性の小動物が展示されている建物に入りました。動物園の開園時間に動物たちの活動を見学できるよう、昼夜が逆転するように時間が調節してあります。建物も複雑に設計されていました。夜行性動物の展示セクションに入ると通路がだんだんと下っていき、また出口に向かって上っていくという構造になっています。ロンドン動物園にも夜行性動物が展示されていますが、それと比べると個々の居住スペースが広くとってありました。この夜行性動物館でキウィが見れるとは思ってもみませんでした。夜行性動物のセクションを抜けると、とても広い展示スペースがあって、何がいるのかとガラスを覗いてみたら、カワウソが岩の影に潜んでいました。ロンドン動物園にいるオリエンタル・オッターは、カワウソには珍らしく群れで行動する種のようで、屋外で飼育されていましたが、このケープ・オッターはもっと大柄で一匹で住んでいました。小川、池、岩陰、地肌、小枝など飼育環境のアレンジの仕方は似ているという印象を受けました(先日、訪れた友人の報告によると今は二匹で住んでいるそうです)。

 サル小屋でもびっくりさせられました。異なる種類のサルが同じ檻の中に住んでいました。となりでそのサルをじっと見つめていた、「動物園は私の庭だ」と言わんばかりの雰囲気をもった人の話すところでは、檻の間はわざと広めにとってあり、子ザルが檻を自由にくぐり抜けられるようにしてあるとのこと。サル小屋の横にはサル山があって、ちょうどメガネザルが小屋から出てきて岩山に備えられた木々の間を活発に動き回っていました。

 キリン小屋には、キリンの他にオカピもいました。内部の雰囲気はロンドン動物園のキリン小屋によく似てました。閉園時間近かったせいかキリンはみんな屋内に入れられていました。5〜6頭いる割には、屋内の居住スペースがせまいのではないかと心配になりました。檻を舐めているキリンもいました。こちらが伸びをして手を伸ばすと、「餌をくれるの?」って檻のすき間から必死で鼻面を出そうとしていました。

 私が見物したのは夕方から閉館にかけての時間だったので、あまり人をみかけませんでしたが、日曜日などを家族連れが大勢やってきって活気があるそうです。「地球の歩き方」には、飼育環境に定評があると書いてありました。たしかに、ロンドン動物園に比べたら個々の動物の居住スペースは広くとってあり、居心地もよさそうでした。はてさて実際のところはどうなのでしょうか

フランクフルト動物園の公式サイトはこちら↓
http://www.zoo-frankfurt.de

※写真は伊東さんからお土産に頂いたガイドブックです。ありがとうございました。

Profile:伊東剛史(1975年横浜生まれ) t.ito@rhul.ac.uk
慶應義塾大学を経て、東京大学総合文化研究科地域文化研究博士課程に在籍。現在、ロンドン大学ロイヤル・ホロウェイ・カレッジにて博士論文を執筆中。研究テーマは、都市化、工業化が進み、印刷技術の革新により読者層が飛躍的に拡大する19世紀前半の英国で、自然科学の知識が幅広い人々の間で教養や娯楽として受容されるようになる過程、また専門家の側が一般市民の需要に応じて知識を提供するようになる過程を明らかにすること。博士論文では、そのケース・スタディとして、観賞用動物の繁殖を目的につくられたロンドン動物園が、都市住民の娯楽施設として整備され、専門家と一般市民とを橋渡す空間になる過程をおっている。

 
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