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初夏の北極探検

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6月24日から、北極の動物たちのドキュメント映画であるホワイト・プラネットが日本で公開されます。ズーラシアではこの映画に登場する動物たちの写真展を開催することになりました。折しも、ホッキョクグマは2006年度版レッドリストに加わったことが5月に発表されたばかり。私は、地球温暖化の影響を大きく受けている北極の動物たちのことを題材にしたワークショップ「ホワイト・ズーラシア」を企画し、6月17日と24日の二日間、実施しました。ということで、またまた近況報告です。

「ホワイト・ズーラシア」は、北極を探検している気分でお絵描きをするワークショップです。探検するのは、発砲スチロールで再現した北極。発泡スチロールは動物たちのエサであるアジやリンゴの納品に使われているので、ズーラシアには大量にあります。しかも、慎重に歩かないと割れてしまう発泡スチロールは温暖化の説明にもってこい!なのでした。

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ワークショップは自由参加。梅雨の晴れ間の土曜日、「ここはさむーい北極です。ホッキョクグマの気分で探検して、出会いたい動物や植物をお絵描きしませんか?」と子どもたちを誘います。「自由にお絵描き!」しかも普段はなかなかできない真っ白な発泡スチロールに!!このシチュエーションはすごく魅力的なようで、子どもたちは絶え間なく、どんどん集まってきます。まずは、ゆっくり発泡スチロールの上を歩いて、お絵描きする場所を探します。でも、乱暴に歩くと、すぐに発泡スチロールは割れてしまう。壊す感覚は、子どもたちにとって相当楽しいようで、一回割るとまた割ろうとする子どもたちも続出。そんな時には、「氷が割れちゃうと、ホッキョクグマが暮らせなくなっちゃう」「大好物のアザラシも見つけられなくなっちゃう」とお話をして、氷を大切に思ってもらいます。

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「北極の動物」といっても、なかなかどんな動物がいるのかは分かりません。このワークショップは写真展のパネルの真ん中、しかもプロモーションビデオの目の前で開催したので、どんな動物が北極にいるのかを写真や映像で紹介します。そして、ホッキョクグマのくらし、好きなものなどなど、いろんなお話をしながら自由にお絵描きをすすめていきます。中には、ホッキョクゾウなど架空の動物たちも出現していきます。チューリップが咲いたりします。何の迷いもなく、ペンギンを描く子どもたちもたくさんいました。このワークショップでは、知識を与えることを目的にはしていなかったので、北極にいない動物を描く場合でもわりと寛容に接し(もちろん、話せる場合には説明をしながら)、あれこれ想像しながら描く子どもたちの創造性を大切にしながら、北極にたくさんの生物を生み出していきます。

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北極がにぎやかになってきたところで、そこにいるみんなに向かって地球温暖化のお話。ワークショップのようすを見守っているお父さん、お母さんも耳を傾けてくれます。ホッキョクグマにとって楽しい北極を考えてお絵描きをしてくれている子どもたちにとっても、この世界がどんどんなくなってしまっているこが、感覚的には伝わっているようでした。

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急遽企画したため、実施しながらズーラシアの教育普及のスタッフがあれこれアレンジしつつ、形ができていったワークショップだったので、「伝える」部分がうまく機能できなかったりもしましたが、かなりの可能性を実感。また、寒い時期にリベンジしようかと思います。

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コメント

ドリームナイトに参加させていただけて良かったです。
一回目はたしか秋、日が落ちてしまえば肌寒い頃で、
そういうみなさんをご招待するならポカポカ陽ざしのある時間帯に
すれば良いのに、と思いましたが、意味があることだったのですね。
ご招待するといっても、アップダウンの多い動物園では難しいかと
思われますので、自然林に囲まれていながら比較的平坦な造りの
ズーラシアはまさに適格だと思います。
長倉さんがズーラシアにいてくれてはじめて実現できた企画ですね。

確かに、言出しっぺは私だったんですけど、共感してくれた同僚がバリアフリープロジェクトを立ち上げ、組織全体で取り組みました。ズーラシアサポーターズのみなさんも、突然の持ちかけにも関わらず、企画を考え、参加してくれてうれしかったです!ズーラシアにいつも誇りを持ってもらえるようにがんばります。というか、一緒にがんばっていきましょうね。

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