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ゴミからすてきなキャンドルナイト

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2006年の夏至の日、6月21日夜、8時から10時の2時間、
みんなでいっせいにでんきを消しましょう。


こう呼びかけているのは、100万人のキャンドルナイト。スローを楽しむムーブメントです。ズーラシアではこれに賛同し、動物園のゴミからキャンドルケースをつくるワークショップを開催しました。今日中にこの記事を投稿したら、ぎりぎり夏至に間に合います!ということで、またもやズーラシア近況イベント報告をさせていただきます。

ズーラシアでは、6月17日〜18日の二日間、キャンドルケースづくりを開催しました。このキャンドルケース、なんとズーラシアのゴミからつくるんです。

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用意したのは、ミルワームのパックと牛乳パック。ミルワームとは虫の幼虫で、動物園ではサルや鳥が食べており、プラスチックのパックにおがくずとともに入って納品されます。牛乳は毎日オランウータンが飲んでいます。これらのゴミを一ヶ月ほど前から、飼育担当者に協力してもらってせっせと集めました。

ワークショップは、このミルワームのパックや牛乳パックに絵を描くだけと言うとても簡単なものです。ケースはお持ち帰りしてもらいます。このケースに水を入れてキャンドルを浮かべ火を灯すと、ステンドグラスのように描いた絵が床にきれいに広がるのです。たったこれだけのことなのに、キャンドルを囲むと、なぜかやさしい気持ちになれます。

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ワークショップの参加者には、手づくりキャンドルをプレゼントしました。このキャンドルもなんと、動物園のゴミから作りました。材料は、ズーラシアのレストランで使用済みの調理油。この油に凝固剤を入れ、アロマオイル(動物の治療にも使っているものです)で香り付けし、クレヨンを削って溶かすと、色とりどりのキャンドルになるのです。キャンドルの型にはキウイが納品されてくる時に入ってくる緑色のプラスチックケースを利用しました。これで、キウイを縦半分に割った大きさのちょっといびつでカラフルなキャンドルが大量にできます。

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ワークショップには二日間あわせて100名の方々が参加してくださいました。そしてみなさん、動物園のゴミからつくったキャンドルとキャンドルケースを大切そうに持って帰ってくださいました。明日が夏至の夜。ズーラシアで作ったキャンドルたちが、いろんな場所ですてきな時間を過ごすんだろうなぁと思うと、うれしくなるのでした。

このキャンドルナイトは、ほんの2時間、電気を消そうと呼びかけているだけです。そして、動物園で出るゴミというのも、そもそも、もっと削減できるはずのものなのです。でも、私自身、ゴミを集め、キャンドルを作り、準備をしながら、モノを循環させていくのは手間がかかるけど、楽しいことだと思いました。そして、つくったキャンドルに火を灯し、ズーラシアのスタッフとひそひそ話を楽しみながら、時には電気を消すのもいいものだと思いました。ろうそくの炎は少し喋るだけでもゆらゆらとゆれ、そのゆれで床に移っている模様もゆらゆらゆれます。キャンドルを囲むだけで、楽しくて優しい気持ちになれることを実感。こういう積み重ねで、価値観を変えていくんだろうと思います。参加者のみなさんには、天ぷら油キャンドルの作り方、キャンドルナイトの楽しみ方を描いたチラシを渡しました。実際にキャンドルをつくってもらえたら、私が感じたように、ますますスローを楽しんでもらえるのではないかと思います。

みなさんもぜひ、明日はスローな夜を楽しみましょう。

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