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なまけものLIFE

東京工芸大学とコラボレーションを始めた翌年、私はアーティストの井上尚子さんと出会いました。折しも、横浜界隈では現代アートの国際展「横浜トリエンナーレ」の準備があちこちで市民の目にも見えるようになってきた頃。横浜在住(しかもすごい近所!)の井上さんとは、あっという間に意気投合、タイミングよく横浜トリエンナーレが市民に向けて募集をしていた応援企画に応募することを目標に、ズーラシアでのワークショップを企画しはじめました。夜な夜な近所のメキシコ料理屋で動物園の意義についての議論を重ね、私たちの行き着いた企画は、動物園でなまけることをコンセプトに掲げた「なまけものLIFE」。ズーラシアでは展示していない「ナマケモノ」がメインテーマの前代未聞の企画に挑戦することに決めたのでした。
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「なまけものLIFE」は、ズーラシア園内のあちこちにお客さんがなまけられる仕掛けを用意し、「楽しいスロー」を体験してもらうワークショップで、2005年3月に実施しました。この頃、スローライフという言葉がすでに世間に浸透し、国内の動物園でもスローが提唱されはじめていました。スローのヒントは、動物たちに隠されています。そして、それは私たちが動物たちから学ぶべきことなのです。

でも、動物たちの「スロー」をそのままワークショップの素材にしてもあまり意味がない。

井上さんと企画の骨子を決め、横浜トリエンナーレの応援企画として選考され、企画への助成が決定するやいなや、井上さんが講師を務める女子美術大学の学生有志5名で「女子美ガールズ」を結成し、ともにありったけの時間で「楽しいスロー」を考え続けました。そして、ワークショップまでの2週間、朝から終電までズーラシアの会議室で制作活動を続けました。まさに、渾身の企画なのです。

「楽しいスロー」は予想以上に難しい課題で、私たちは顔を合わせればスローの提案をし続けていました。ただ単に、動作を遅くするだけでは楽しくないのです。楽しくなければ、「スロー」の魅力が効果的に伝わっていかない!そんなこんなで夢に出るほど「楽しいスロー」を考えあぐねた結果、ワークショップはやり切れないほどのアイディアに満ちあふれたものとなりました。

果たして「なまけものLIFE」とは?次回エントリーでご紹介したいと思います。

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コメント

おひさしぶりです、お元気ですか?いろいろと活動されているのですね!
「楽しいスロー」、興味ありますね?。はやりのように「スロー」と連呼されている今日このごろ。
つづきがしりたいです。

ナマケモノって、別に当人は「ナマケ」てるわけでもなくて、ヒトの見方でそんな名前がついたっていうのも、これまたなかなか興味深いな、なんてふとおもいました。

すごいタイミング!今日、なかおさんの本を見て、どうしてるのかなって話をしてたところです。「ナマケモノ」って名付けた学者さんもものすごいセンスだよね。続きは近日中に。

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