ミンミンと子どもたちの今日
気持ちのいい秋の空気の中、今年も東京工芸大学芸術学部メディアアート表現学科pZooと共同企画しているワークショップを実施しました。ことの発端は、2003年の、とあるワークショップ会場。生き生きと活動する学生さんに動物園でのワークショップ企画を持ちかけたのが始まりでした。その日のうちに先生とも意気投合、以来、毎年2回のペースでワークショップを共同企画しています。授業でもなく、各自の自主性に任された運営の中で、ゆるやかに動物園と大学生がつながり、お互いを刺激しあいながらの企画は、芸術のフィールドとズーラシアをつなぐ数々の実践の発端となりました。今回は、オカピとモウコノロバを題材とした二本のワークショップを実施。このうち、私が担当した「今日のミンミン」をご紹介します。
<今日のミンミン>
「今日のミンミン」はズーラシアのモウコノロバ「ミンミン」のプロモーションビデオを制作するワークショップです。今回のワークショップ企画には映像を得意とする学生が多く集まったので、子どもたちに撮影してもらった映像を素材としたプロモーションビデオを制作する企画が生まれたのでした。企画期間はおよそ3ヶ月。ズーラシアと東京工芸大学は、およそ20km離れているのでそうそう会うこともできません。私たちはxoopsというインターネット上の多機能掲示板を駆使し、でも時々直接話し合いながら企画を深めていきます。
<ワークショップのねらい>
行楽シーズンのお客さまの大半は家族連れ。その中でも、未就学児や小学校低学年の子どもたちが多いのです。この子どもたちが参加しやすく、分かりやすいワークショップが企画のキーポイント。私たちは、「ミンミンが日本に一頭しかいないモウコノロバである」ということを伝えることを今回のメッセージとしました。また、「一頭しかいない稀少なミンミンも、個性があって、名前があって、ミンミンとしての暮らしをしている」ことを感じ、身近な存在となれるように考えたのです。
<こだまする「ミンミン」コール>
まずは、モウコノロバの展示場の前で参加を呼びかけます。20名ほど集まったところでクイズ大会。このクイズは「ミンミンがオスかメスか」という簡単なクイズで始まる、小さな子どもたちでも参加でき、達成感を感じられる内容です。そして、クイズの中で、ミンミンが日本で一頭しかいないモウコノロバであることを子どもたちは知るのです。そして、まだビデオカメラを手にしたことのないであろう子どもたちに、大学の機材のビデオカメラを4台用意し、ミンミンに話しかけながらの撮影が始まります。持ち時間は30秒。この短い持ち時間の間に、ミンミンをかっこよく撮ろうと子どもたちを盛り上げます。ミンミンの動きをじっと見つめる子どもたち。そして、子どもたちのタイミングで撮影開始。こうしてこの日は4時間で68人の子どもたちに参加してもらいました。
<やみつきワークショップ>
その後の3週間で映像編集。11月1日からはそのプロモーションビデオを園内で放映しています。10月の終わりにpZooの学生さんが「やっと編集できました。いいできなんです!」と興奮気味に持ってきてくれた映像を見て、今回もワークショップができて本当によかった!と思えました。この企画は、まさに私たちのコラボレーションでしか生まれ得なかった成果があります。そして、企画過程で関わった学生自身、ミンミンが気になってしょうがなくなり、そしてそんなズーラシアを応援してくれるようになるのです。毎回、大変な思いをして企画をしているのに、やめられないやみつき企画の一つです。
と、ここまで書いて、映像をアップロードしようと思ったらなぜかうまくいきません・・・。近日中になんとかします。
ちなみにズーラシアでは、12月28日まで放映しています。
--- 追記(11/11) ---
画質音声ともにかなり落ちちゃいましたが、なんとかアップロードできました!
ミンミンPV前編
ミンミンPV後編
*再生には、QuickTimePlayerが必要です。
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