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「百獣の楽園in京都市動物園」特別講演会に参加しました!

メールニュースでもお知らせしましたが、
8月6日(土)、京都市動物園で、「百獣の楽園in京都市動物園」特別講演会が開催され、それに参加してきました。
久々の京都市動物園、動物を楽しむだけでなく、普段あまり気にしていない美術の中に現れている動物観についても触れることができ、大満足の訪問となりました。


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     よ〜く見ると、本物の動物の写真も入っているポスター


講演会の演者は、京都国立博物館の主任研究員の永島明子氏と京都市動物園獣医師の坂本英房氏。
タイトルどおり、この講演会は、現在京都国立博物館で開催中の「百獣の楽園」とのコラボ企画。
共に100年の歴史がありながら、コラボレーションは初めてだそうです。


「百獣の楽園」は、明代の医師、李時珍の「本草綱目」の分類に基づいた展示を行なっているとのことで、先ずは「本草綱目」についてのお話から。
「本草綱目」はいわゆる動物図鑑で、西洋の博物学が導入されるまで日本人の動物観に大きな影響を与えていました。
昔は、人の暮らしに密接な動物、人の役に立っている動物などへの関心が高く、「本草綱目」でも、身近にいて害虫であった「虫部」が最初に取り上げられています。また、家畜を「畜部」、それ以外の動物を「獣部」と大雑把に分けているのに対し、ネズミだけは別仕立てです。
ネズミは、害獣であると共に、ペットとして飼われることも多く、人々の関心が高かった動物だったのです。
また、「鱗部」には、ヘビ、魚、センザンコウなどが、「介部」には、亀、カニ、貝などが分類されています。


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     おふたりの小気味よいかけあい

では、こういった動物観を背景に、実際には動物たちはどのように描かれていたのでしょうか。
「百獣の楽園」の展示の中から、京都市動物園でも飼育されているものを中心に紹介していただきました。
ヒツジが日本に定着したのは明治時代以降。このため、ヒツジと書かれているが、どう見てもヤギ、という作品も少なくありません。
ネコは、奈良時代以降に中国から入ってきて、最初は高級ペットだったため貴族が紐に繋いで飼育していたのが、江戸時代にネズミ対策として繋がずに飼いなさいとのお触れが出てから急速に数が増え、その推移が作品の中にも見て取られます。
ウサギは、江戸時代末期頃、オランダからカイウサギが持ち込まれ、ノウサギに変わって登場するようになりました。
アナウサギを改良したカイウサギとノウサギとでは耳や足の長さだけでなく生態も異なり、月と秋草が一緒に描かれているのは夜行性のノウサギです。
キリン、ライオン、クマなどはまだほとんど知られておらず、中国からもたらされた絵画や毛皮などを見て描いたものも多く、どこかアンバランスです。トラのメスがヒョウだと思われていたこともあるそうです。


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     トラ舎前に掲示されている、「百獣の楽園」で展示中のトラの作品


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     暑かったので、本物のトラは水浴びをしていました


興味深いお話が続きましたが、タイムリミットに。
京都市には、都市としては珍しく、今も多くの野生動物が住んでいます。
人と野生動物との共生を考え、ほどよい距離感を計りながら、京都はもちろん、世界中が百獣の楽園になればいい、と結ばれて講演会は終了しました。


特別講演会は、この日だけですが、園内の動物舎前には、「百獣の楽園」に展示されている作品の写真が掲示されており、実際の動物と見比べることができます。
また、「百獣の楽園」展は、8月28日(日)まで開催されています。

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