大牟田市動物園福岡県
みんなでエンリッチメント!!〜実践・継続・発展・発信〜

積極的な情報公開やメディアへの露出などにより飛躍的に知名度を上昇させており、現在もっとも勢いを感じさせる動物園の一つかもしれません。今回の自薦応募として提出された文書は、一次審査の時点で審査委員を圧倒させ、注目を集めていました。園全体での取り組みを自ら「実践・継続・発展・発信」と表現していることからも、環境エンリッチメントの重要性を正しく認識し、努力されていることがわかります。
大牟田市動物園は、飼育担当者11名と獣医師2名の、地方都市の小さな動物園ですが、“動物福祉に配慮した科学的な飼育管理”を掲げ、積極的にエンリッチメントを取り入れています。特定の担当者や動物種に限定されがちな現状を問題視し、園全体で幅広くエンリッチメントを取り入れ、取り組みが一過性にならないような体制作りをおこなっています。エンリッチメントの実施内容の共有化や客観的な評価のため、海外の例に倣い、園内で実施するエンリッチメントのリスト化を始めました。「環境エンリッチメントツール登録票」は写真付きで目的・機能や設置頻度などが簡潔に記載されており、瞬時にツールの特性を把握できます。登録時には、園長・倫理福祉委員長・獣医師の確認を得る必要があり、エンリッチメント実施後には評価リストも作成されます。月1回、園内でエンリッチメント会議を実施し、全職員でのディスカッションがおこなわれます。
ハズバンダリートレーニングの導入による個体の健康管理にも取り組み、マンドリル、サバンナモンキー、ライオン、トラ等での無保定採血の実績を挙げました。ストレス軽減や健康維持などの点で動物福祉に直結すると同時に、それ自体も動物の社会的行動を発現させるエンリッチメントととらえて実施しています。さらに、老齢個体の細やかな病状や、詳細な血液データなども公開しています。
明確な目標設定とそれに向かう行動力、そして積極的な情報公開を評価しました。今後、それらの取り組みが動物の福祉につながっていることを科学的に検証し、実施内容に対する適切なフィードバックがなされていくことを期待します。
大牟田市動物園(おおむたしどうぶつえん)
